「静かだが、復興は始まっている」〜大自然の中で聞いた大槌町の輝き〜

 

どーもこんにちは!

きゃんちです!

 

 

ゼミで高尾山に登った時に変なポーズをして

周りから浮きまくった時の写真です。気持ちを強く持ちます。

 

 

東北ツアー2日目、個人企画してきました。

僕の個人企画は大槌町の輝き取材」です。

僕は昔、海外で人に夢を聞いて回る「夢集め」というのをしてたことがあって

人が夢を語っているのはキラキラしていて輝いているな〜と思いました。

ということで、それを大槌町で行い、

大槌の輝き、未来を現地の人に聞いてみようと思いました。

 

 

最初は、行き当たりばったりで取材をしようと思っていたんですが、

大槌町に着いた途端に天気が悪いこともあり人がチラホラしかおらず、

街に降り立った時に人の気配がない、

 

 

 

 

 

「このままじゃ取材できないぞ...」

 

 

 

旅人である自分のその場の流れ任せの考えを恨みました。笑

 

 

 

「どうしよう...」と思っていたところ、

同じPass onのメンバーのひなたちゃんが紹介してくれた、

大槌町でコミュニティスペースを運営している方々にお会いすることができました。

 

 

 

個人企画の旨を伝えたら、明日、山歩きをするとのことで、参加させていただくことになりました。

 

 

 

救われた。笑

 

 

 

セミの抜け殻を探しに行くよ!!」

 

 

当日朝8時半から行動開始。

 

 

山歩きを先導してくれたのが

藤原勝志さんという方

林業技師 森林インストラクター 養蜂 のマルチ分野で活躍されていて

20~30年、山について教えているそうです

 

 

 

参加者さんのお子さんも5〜6人いて

現場はとても元気いっぱいな感じ。

 

 

山歩きのコンセプトは

セミを見つけよう」

 

 

 

 

それを聞いた時に僕は

「山歩きなんてしてどうするんだろうな〜」

と率直に思いました(笑)

 

 

流れのままに

子どもたちとセミ探しをすることに

 

 

「ねえねえ!セミの抜け殻見つけた〜!」

 

 

「ミミズあげる!!」

 

 

「木で戦おうよ!!」

 

 

「このキノコあげる!!」

 

 

開始早々、お兄ちゃんはカルチャーショックだぞ!(笑)

 

 

僕は着いて行くのに必死。

なんとか山歩きしながら写真を撮ってました。

 

 

 

1時間後...

 

 

時間が経つにつれて、無意識のうちにセミの抜け殻が

ないか目を見張る自分がそこにはいました。笑

 

 

 

「あ、自然の中にいると落ち着くな」

 

 

素直な感想を心に感じている自分。

 

 

「けど、最初は全然乗り気じゃなかったのにな...?」

 

 

山歩きが終了して

車の中で、心のモヤモヤを藤原さんにぶつけてみました。

 

 

「最初は気持ちが乗らなかったのに、途中からだんだん楽しくなってきちゃって

最後の方は夢中でセミの抜け殻探しちゃいました(笑)」

 

 

藤原さんは優しくこう言いました。

 

 

「山を良いと感じる人は、普段の生活でストレスを感じながら生きている、

毎日頑張って生きている人なんだよ。

山が小さい頃から好きという人は、歳を重ねるごとに山に帰ってくるんだよ」

 

 

確かに僕は昔、山で遊ぶのがとても好きで

よく虫取りなどをしていました。

 

 

「あなたのことを見て、すぐわかったよ。

普段の生活でとても忙しく頑張っているだろ?

そういう人は絶対に山に帰ってくるんだよ」

 

 

「私は30年間、山を教えている。

そして、いろんな人に会うんだ。

昔、国の調査員として働いていたこともあって

取材の依頼をされることも多々あったんだ。

けれど、あまり取材を受けないようにしているんだ

目立つのは山を教える身としてはね...(笑)

山は静かにリラックスするところだからね」

 

 

僕が山を素直に楽しんでいるのを見て

少し取材をさせていただけることになりました。

 

 

 

運が良かった、生死は本当に紙一重

 

 

 

 

地震の時、山にいた。けれど地震を感じてすぐ山を出たんだ。

車で急いで山を下ったが、道路が通れなくなっていて歩いて山を下ったんだ」

 

 

藤原さんは、揺れを感じてただ事じゃないと思いすぐ下山したという。

常にアンテナを立てていることが大事で、アンテナを立てておけば

災害には自然に気がつく。

それを怠った人が多く震災で亡くなられてしまったとおっしゃってました。

 

 

実際、揺れを感じても家から避難しなかった人、

津波はここまで来ないだろうと過信した人が

多く被災されたといいます。

 

 

しかし、藤原さん自身も地震が起こる10~15分前、沿岸部を通っていたらしく、

「運が良かった、本当に生死は紙一重だと思う」とおっしゃってました。

 

 

このままいくと大槌町がなくなってしまう...

 

 

今回の藤原さんに取材している中で僕自身とても考えさせられたのは

 

 

「被災地の中でも復興の地域差がある」

 

ということです。

 

とても当たり前なことなんですが、これを認識できている人がどれくらいいるでしょう?

 

 

「被災地」という言葉でまとめるとわかりやすいのですが

それでは、一地域がどのくらい被災して、復興が進んでいるのか

霞んでしまうのです。

 

 

当時人口1万2千人の小さなこの町では、

1,200人以上の人が 震災によって亡くなりました。

 

死者数は県内で約2割、行方不明者数は県内で約4割を占める割合です。

 

家屋は、県内で最も多い割合で全家屋の約7割が被害を受けました。

 

大槌町は土地柄、町の総面積の2%に満たない

沿岸部の土地に人口の約8割が暮らしています。

 

沿岸部周辺に人口が集中しているの地域がゆえに

より甚大な被害を受けた地域でした。

 

 

震災以降、大槌は産業が衰退しており、若者が働く場がないそうです。

 

 

せっかく魅力のたくさんあるこの街に若者が来ても

産業が発展しておらず、職がないので、移住が難しいのが現状です。

 

 

復興といっても、ただその地域を盛り上げればいいわけではなく

その地域の問題を根本から解決しなければ

町は廃れていってしまうのです。

 

 

 

「静かだが、復興は始まっている」

 

 

藤原さんは、今後の大槌のこと、自分に何ができるか

考え、こうおっしゃってました。

 

「山の方に若者を呼びたい

そして、山で雇用を作りたい

若者をもっと大槌町に呼びたいが、職がない。

ここで大槌の若者雇用を作ることによって

大槌を復興、活性化させる一助になればいいなと思うよ」

 

 

 

 

藤原さんがおっしゃっていた言葉で

特に印象的だったのが

 

「静かだが、復興は始まっている」

 

 

そうなんです。今から復興が始まるんです。

7年経ってようやく今から始まるんです。

 

 

それでも大槌町は輝いている

 

 

僕は大槌町の中でたくさんの輝きに出会いました。

壮大な自然、美味しい海の幸、そして何より温かい現地の人たち

 

 

その輝いている姿はやっぱり皆さんに伝えたい。

 

 

 

僕らは伝えることしかできないから。

 

 

 

 

まだまだ課題が山積み。それでもなお、大槌町はこんなにも輝いているんだって。

 

 

震災から7年経った今、皆さんは「復興」について何を思いますか?

 

 

皆さんが思い描いているほど「復興」とは進みが遅く、そして難しい問題です。

 

 

僕も大槌町を訪れ再度「復興」についてとても考えさせられました。

 

 

僕ができることは「今の大槌町のリアル」を伝えることです。

 

 

この記事を読んで皆さんが再度「復興」について

考えるきっかけになれればいいと思います。

忘れないでください、今から復興は始まるのです。

 

 

(文/きゃんち)