「復興」から「伝統」へ。~刺し子体験をした学生が思う継続されていく秘訣とは~
2019年3月23日
大槌町には、「復興」の新たな一ページが刻まれました。
三陸鉄道リアス線 開通!!
駅前では華々しくセレモニーが行われ、8年ぶりに町に列車の音が響きました。
お父さんの肩に肩車される子どもから、いよいよだと見守るお年寄りまで、みんなが旗を揚げ、手を振り列車を迎えました。
「輝き」
まさにこの言葉がぴったり似合う、希望の瞬間を目にしてきました。
こんにちは。大槌プロジェクトの中村ひなたです。
私自身、大槌に関わりはじめて1年、このタイミングに立ち会えたことにすごく感謝を感じています。
もう1年が経ったのかと思うと短かったような、でもずっと前から関わっていたような濃さがあるような、不思議な感覚がしています。
この1年、沢山の方にお世話になって来ましたが、最初から継続してお世話になっている大槌復興刺し子プロジェクトさま。
今回はついに、「刺し子体験」をさせて頂きました!
(その前に、大槌復興刺し子プロジェクトとは…?の方はこちら↓)
刺し子さんになる一歩、くるみボタンづくりを体験!
「こっちだよ~」
久々に訪れる刺し子プロジェクトさんの事務所玄関前でもじもじしていると、インターホン越しに明るい声が聞こえてきました。
こうして久々に訪れても快く受け入れてくださる皆さまが本当にありがたいです。
今回、初訪問のメンバーもいたのですが、あっという間に打ち解け、くるみボタンづくりがスタートです。
「私こっちの色かな~」
「この柄がいい!」
そんな会話を楽しみながら、生地と柄を選び、ひと針ひと針さしていきます。
今回刺し子をしたのは手のひらサイズ程の布。
スタッフの皆さんも一緒に普段のお仕事をしながら、合間合間にの体験です。
まるで本当に刺し子さんになったかのような気分で作業(^^♪
要領は波縫いと同じです。
今回は体験のため刺繍針を使いましたが、本来は刺し子針という少し太い針を使うのだそうです。
刺し子はもともと布を強くする技術だったということから、太い糸が使われることが多いのでこのようになっているのでしょうか。
最初は家庭科の時にやった感じだ~なんて余裕に思っていた私でしたが、柄を刺していくにつれてどこに次の糸を刺せばいいのか分からなくなる……
目の神経もすごく使うし、肩も固まってきます。。。(笑)
「常時シップが欠かせないのよ~」
そんな風に笑って話されるスタッフのみなさん。
刺し子さんはお仕事でもありながら趣味のように商品づくりを楽しまれているそうで、何枚も生地を自宅に持ち帰り、家事の合間や空き時間に数時間没頭される方もいらっしゃるそうです。
私たちが手のひら程の刺し子を完成させるのにかかったのは約1時間半!
商品には、小さな名刺入れなどから洋服のステッチまで、様々な種類があります。ひとつひとつにどれだけ手間暇かかっているのだろうと思うと、温もりを感じますね。
本当にひとつひとつの作業が手作業なのです。
糸を巻くところ、下書きを書くところ、柄をデザインするところ。
私がみた中で、機械での作業って、、、ありませんでした!!
それほど沢山の方の気持ちがこもった商品はやっぱり大切に使いたいと思うし、一生ものになるなと感じました。
大槌復興刺し子プロジェクトさんのこれから
震災から8年が経ち、復興とはが問われる時代。大槌復興刺し子プロジェクトさんは、今後はどのような展開をされるのかを問いました。
「名前から『復興』をとり、大槌刺し子プロジェクトとして活動をしていきたい」
発災時に避難所でもできる仕事と生きがいをとして始まった大槌復興刺し子プロジェクトさん。震災から時が経ち、その活動も変化が必要とされています。
昨年の秋には新たな刺し子さんの募集もかけたそうですが、すると20代の方からお母さん方世代まで地域の女性、約10名もの新たな刺し子さんが集まったそうです。
心の復興の一役を担っていたプロジェクトが、地域の女性の副業へ、また、新たな伝統へと紡がれつつあるのですね。
商品にはファンも多いそうで、他社企業さんとのコラボ企画も進められているそうです。
地域に愛され、ファンに愛される。
その連鎖ができているのが「復興」が問われる時代になった以降も続いていく秘訣なのではないでしょうか。
また訪問させてください!
祝日にも関わらず、あたたかくご対応して下さりありがとうございました(^^)
(今回つくったくるみボタン↑)
大槌復興刺し子プロジェクトさんの詳細はこちら↓