正義ってなんだろう?難民問題から“日本”の在り方を探る

Pass onが昨年から継続して行っている日本在住難民取材。

今回この取材の一環として、茨城県牛久市にある東日本入国管理センターに行ってきました。

 

こちらの記事ではまず初めに、日本の外国人受け入れに関する問題について少しだけ考えてみようと思います。

 

東日本入国管理センターとは?

 

東日本入国管理センターとは、法務省管轄の国家施設であり、

日本に来た外国人のうち、何らかの理由で日本での滞在許可が下りない人々を一時的に収容する施設です。

 

“収容”と聞いて皆さんがどのようなイメージを持たれるかは分かりませんが、この施設における収容とは一時的な“保護”のようなものではなく、刑務所のような自由が拘束された生活であることを先にお伝えしておきます。

 

【関連記事】

(収容施設での生活を知りたい方はこちらも合わせてどうぞ↓)http://themoment.bambina.jp/2017/11/27/tokyoimmgration-coverage2/

 

 

 

外国人の方がこの施設に収容される条件は、

主に不法入国をしようとした場合、オーバーステイをした場合に分けられます。

 

この文面を読むかぎり、不法入国やオーバーステイをしたのなら、収容されるのは当然のことだろうと思われるかもしれません。ですがそこには、一概にそうとは言い切れない、日本政府の外国人受け入れに対する様々な問題が存在しているのです。

 

 

外国人受け入れの問題って?

 

例えば、こんなことを聞きました。

意図的ではなくオーバーステイを誤ってしてしまった場合。

 

『滞在期限が近づいていたため、更新しようと手続きを試みたが、

日本語書類が多くて分らず、気がついたら滞在期限が過ぎてしまっていた…。』

 

法務省のホームページを見る限り、英語での案内もあるようですが、

日本語に不慣れな外国人にとってその情報にさえたどり着くのが難しいといった場合もあるようです。

 

 

 

他にも例えば、母国の政府の迫害から逃れるために命からがら日本に逃れてきた場合。

母国政府は国民を迫害しているわけですから、

逃げようとした人々が政府発行のパスポート、または身分証明になる国際書類を手に入れるのはかなり難しいでしょう。

そのため、難民の方の中には偽造パスポートを使って日本に逃れてくる方がいます。

こうした人々は、日本政府側から見たら不法入国者です。

政府は不法入国者を簡単に日本に受け入れるわけにはいきませんから、施設に収容します。

 

また、難民の方の中には、とりあえず発行できた観光VISAで入国し、

その滞在期間に難民申請を行う方も少なくありません。

 

上記のように、様々な背景があり、問題や課題が山積しているのが現状です。

 

また、以前の連載でもお伝えしている通り、日本の難民認定基準はかなり厳しいものです。

 

申請が通るまでに何年もかかることは珍しくなく、申請期間中にVISAの期限が切れ、

結果的にオーバーステイになってしまうことがあるのです。

 

 

いったい何が正義なのか?

 

さてさて、突然ですが、

 

あなたは、今までに上げた例に当てはまる方々を

『はい、あなたは不法入国者/不法滞在者です。身分の保証が取れるまで自由を拘束します』

と面と向かって言えますか。

 

確かに彼らは違法に日本に滞在しています。

法的に判断すれば収容されて当然です。

日本の安全を守るために法務省不法入国者不法滞在者を取り締まるのはあたりまえの仕事です。

それ自体に問題があるわけではありません。

 

しかし、誰かに害を及ぼそうと意図して不法滞在になったわけではないのに、厳しく自由を拘束し、収容することはできるのでしょうか。

 

私は、『はい、仕方がありません。』と言い切ることはできません。

でも一方で、不法入国者不法滞在者に対する適切な対応は必要だと思います。

 

正義って何なのだろう。

 

皆さんはこの記事を読んで何を考えますか…?

 

つづく・・・

 

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http://themoment.bambina.jp/2017/11/23/tokyoimmgration-coverage/

 

(文/ひなた)