あの日、小学生だったわたしが被災地で祈る。未来へ繋ぐ想い。

3.11という日

みなさんは、この日をどう過ごしましたか?
誰を思い出し、誰と話し、誰と笑い合いましたか?

私は初めて被災地で過ごす1日でした。
7年経って、ようやく私はこの地に足を踏み入れることができました。

正午ごろ、滞在先の大槌町の高台にある『希望の灯り』で行われた追悼式に参加させてもらいました。

ここからは町が一望できます。

 

あの日、この町の人々は、海が脅威と化し、すべてをさらっていく様子をここから見ていました。

 

今日、この町の人々はここから穏やかな海を眺め、亡くなられた方々やあの日の記憶に想いを馳せます。

 

そんな特別な地。

そこでこんな私が、こんな何も知らない私が、みなさんと一緒に祈り、想いを馳せていいのだろうか。

みなさんと時を過ごしていいのだろうか。

そんな気持ちが揺れ動きました。

 

正午ちょうど。
祈祷式が始まります。
町の音楽であるひょっこりひょうたん島が流れ、1分間手を合わせます。

苦しいこともあるだろさ
悲しいこともあるだろさ
だけど僕らはくじけない
泣くのはいやだ
笑っちゃお、すすめー
ひょっこりひょうたん島
ひょっこりひょうたん島
ひょっこりひょうたんじーまー

 

スピーカーから流れる少し不器用な音が、深く心に響きます。

 

穏やかな静けさを感じて、あの日の記憶に想いを馳せる。

あの日から7年という歳月に、祈りを捧げる。

 

 

ふた粒の涙が、自然と頰をつたいました。

 

 

なんの涙だったのか、私にも分からない。
悲しいとか辛いとか、そういうのじゃない。

 

深い、想い。

 

3.11

7年経った今、この地にこられて本当によかった。
この地で祈ることができてよかった。

 

祈る者と祈られる者。

 

想いを馳せ、祈ることにどこの人だなんて、何年経ったかなんて関係ないんだ。

祈る想いですべての者が繋がっている。

 

「東京からわざわざありがとうね。」

 

優しくかけられたこの言葉は、それを証明してくれている。

 

この地で、この地の人と一緒に、3.11を過ごすことができてよかった。

祈りを捧げることができてよかった。

 

(文/ひなた)