「売るのは花ではないんだ。」~大槌のトルコキキョウで届けたいものとは~
あけましておめでとうございます!
梅干しを好きになるのが今年の目標のさきです!
本年もどうぞよろしくお願いいたします!
突然なのですが…
実は私、幼稚園の頃からお花が大好きなのです。そこで年末大槌で、あるお花を栽培・販売されている方にお話を伺ってまいりました。
こちらのお花ご存知でしょうか?
トルコキキョウというお花です。かわいらしいですねえ~(*^^*)
こちらのお花を栽培されているのは兼澤悟さん。
東日本大震災後、
大槌の金沢という山の地域でFLOWER DRESSというブランドを立ち上げました。
兼澤さんにとっての花とは
「きれい」「かわいい」を届けたい。
まっすぐな瞳で、そうおっしゃいました。
‘モノ’を売るのではなく、
「きれい」だとか「かわいい」という‘気持ち’を売るのが好きなんだ_____
もともとはアパレル業をされていて、服を通してそうした気持ちを届けていらっしゃった兼澤さんでしたが、東日本大震災をきっかけにアパレル業界から離れ、故郷に帰ることにしました。
そこで立ち上げたのがFLOWER DRESSです。
「きれい」や「かわいい」を花で届けることにしたのです。
必要としているひとへ
花を栽培・販売するうえで嬉しいことはなんですか?生き生きとお話しされる兼澤さんについ、聞いてみたくなりました。
『FLOWER DRESSのつくったお花がほしい。』
「そう言ってもらえることがやっぱり、嬉しい。
どの業界でも同じだと思うが、お客さんからそうやって必要とされていることがまずなによりも大事。必要とされていなければ自分たちがわざわざ作る必要もない。」
とまで言い切っていらっしゃいました。
確かに需要と供給のバランス、大事ですよね。
じゃあ、必要とする人ってどんな人なんでしょうか。なんで花って必要とされるのでしょうか。
純粋に「きれい」だとか「かわいい」がほしくて花を必要とする人。いると思います。
でも、冠婚葬祭のとき盛大に飾られる花って本当に必要なんでしょうか。
兼澤さんははっきりと言いました。
「なくてもいいんだよ。花は趣味・嗜好品だしね。」
あ、きっぱり言うんですね。(笑)
お話をお聞きしながら、実は少しばかり衝撃を受けました。
「でもね、
花って贈り物をするその一瞬のために必要なんだよね。
“気持ちを伝えるための手段”としても花を必要とする人へ、僕は届けたいと思う。」
兼澤さんがFLOWER DRESSを立ち上げたばかりのとき、つまり東日本大震災後、気持ちを伝えるための手段を求める人は多くいました。だからしばらくは大槌や釜石を中心に販売なさっていたそうです。
やがてより多くの人の気持ちを伝える手助けをしたいと思い始め、岩手、東北と販売地域を広げていきました。
最強の手段
“気持ちを伝えるための手段”としての花、私も使ったことがあります。
母の日に、家事と仕事をこなしてくれるお母さんを尊敬してるよ。そう伝えたくて、尊敬という意味のある紫のカーネーションを母にプレゼントしたとき、母は心から喜んでくれました。きっと花無しじゃこんなにも伝えられなかったです。
花は気持ちを伝えるのに最強の手段だと思わざるを得ませんでした。
農家のプライド
“気持ちを伝えるための手段”としての花を必要とする人にも届けたい。
熱い気持ちをお持ちの兼澤さんですが、花の質も大切になさっています。
どんなに熱い気持ちで育てられたものでも、質が良い花でないと残念ですもんね。
花をプレゼントするということ
家族、恋人、友人、日ごろお世話になっている人、自分自身、誰でもいい。
誰かに花をプレゼントすることで「きれい」や「かわいい」、そして気持ちまでもが届けられる。このことに改めて気づくことができました。
花は部屋に彩をもたらすだけではなく、人々の心にも彩をもたらす。
そう思います。
最後になりますが、兼澤さん、年末のお忙しいところ貴重なお時間を割いていただき誠にありがとうございました!
(文/さき)